
HIITは、短い高強度の運動と休息を繰り返す方法です。男性40人を対象に4種類の運動を8週間比べた研究では、心肺機能の変化に差が見られました。一方、体重や脂肪量の変化に運動方法による群間差は確認されませんでした。

短時間でできる運動として気になるHIIT。体脂肪を減らしたいのか、息切れしにくい体づくりを目指したいのか。研究で見られた違いを、自分の目的に合う運動を選ぶ材料として読んでみましょう。
4種類の運動を8週間、直接比較した研究
この研究の対象になったのは、座って過ごす時間が多い20〜28歳の男性40人です。
参加者は、次の4つのグループに無作為に分けられました。
- HIIT
- 高強度連続運動(HICT)
- 中強度インターバル運動(MIIT)
- 中強度連続運動(MICT)
運動は8週間、週3回、1回あたり約45分行われました。約45分には、準備運動と整理運動が各10分含まれます。中心となる運動は、自重を使う全身運動に少量の器具を組み合わせたもので、最終的に38人が試験を完了しています。
測定されたのは、体重や脂肪量、除脂肪量、BMI、内臓脂肪といった体組成です。
それに加えて、VO₂peakという心肺機能の指標や、安静時血圧、rate-pressure productなども調べられました。
HIITで差が出たのは心肺機能
4群を比較したところ、VO₂peakでは、運動方法と時間の組み合わせによる差が確認されました。
特にHIITは、MIITと比べてVO₂peakの増加が1.11 mL/kg/min大きくなっています。95%信頼区間は0.20〜2.01で、統計的にも有意な差でした。
つまり今回の研究では、HIITを行ったグループで、比較対象のMIITよりも心肺機能の向上が大きくなったということです。
ただし、ここでいう心肺機能の差を、そのまま「痩せやすさ」や「健康全般の優位性」と考えることはできません。
VO₂peakは、あくまで心肺機能に関係する指標です。体脂肪がどれだけ減ったか、将来の病気をどれだけ防げるか、寿命にどう影響するかを直接示すものではありません。
体重や脂肪量には、運動方法による差がなかった
体重、脂肪量、除脂肪量、BMI、内臓脂肪については、4つの運動方法の間で群間差が確認されませんでした。
この結果から分かるのは、少なくとも今回の条件では、HIITを行ったからといって、他の運動方法より体重や脂肪量が大きく変化したとはいえない、ということです。
「HIITは強度が高いから、体脂肪も落ちやすいはず」と考えたくなりますが、運動中の強度と、8週間後の体組成の変化は同じものではありません。
心肺機能の向上と、体重・体脂肪の変化は、分けて見たほうがよさそうです。
心肺機能と体脂肪、何を変えたいかで読む
今回の研究でHIITとMIITの間に差が出たのは、心肺機能の指標VO₂peakでした。体重や体脂肪については、4つの方法のどれかがより大きく変化したとは確認されていません。体組成に差が見られなかったことと、運動に取り組む価値は分けて考えたいところです。
運動を選ぶときは、まず「何を変えたいか」を一つ決めてみると、情報を読みやすくなります。息切れや体力が気になるのか、体重の推移が気になるのか。見る指標を決めたうえで、生活の中で続けられる方法を選ぶ材料にできます。
この研究は、座って過ごす時間が多い20〜28歳の男性を8週間調べた予備的な結果です。女性や高齢者、持病のある方への当てはまりや、長期間続けたときの違いは、今後の研究で確かめる必要があります。高強度の運動を始める際、体調や持病に不安がある方は医師や運動指導者に相談してください。
出典:Zheng W ほか(2026)「Comparing four training modalities on body composition, cardiorespiratory fitness and cardiovascular responses in sedentary young men: a randomized trial」BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation 18, 386. DOI: 10.1186/s13102-026-02027-7.
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の効果・効能を保証するものではありません。感じ方や結果には個人差があります。
