アーシングを続けることで記憶や脳にも変化?ラット研究から考える毎日のアーシング

アーシングを続けることで記憶や脳にも変化?ラット研究から考える毎日のアーシング

アーシングというと、「裸足で地面に触れる」「リラックスのために取り入れる」といったイメージを持つ方が多いかもしれません。

では、大地とつながった状態をある程度の期間続けることで、体だけでなく「脳」や「記憶」にも何らかの変化が現れるのでしょうか。

2026年に神経科学分野の学術誌『Neuroscience』に掲載されたラット研究では、大地電位への接続を7日、14日、21日、28日と続け、その期間によって学習や記憶、脳の状態にどのような違いが現れるのかが調べられました。

特に興味深いのは、21〜28日間接地したラットで、

  • 場所を覚える能力
  • 新しい物を見分ける能力
  • 一度経験した状況を覚えて避ける能力

といった複数の記憶課題で改善が報告されたことです。

さらに、記憶に深く関わる脳の「海馬」でも、炎症や酸化ストレス、BDNF、ストレス反応に関係する複数の指標に変化が確認されました。

もちろん、今回の研究方法は、私たちが裸足になったりアーシングマットやシーツを使ったりする一般的なアーシングとは異なります。

それでも、「大地電位への接続を一定期間続けたとき、生体にどのような変化が起こるのか」を考えるうえで、とても興味深い研究です。

注目したいのは「21〜28日」という継続期間

今回の研究で、riraku-lifeとして特に注目したいのが「継続期間」です。

研究では、健康な雄のラット48匹を8匹ずつ6グループに分けました。

  • 通常の対照群
  • 頭蓋への処置のみを行い、大地には接続しない比較群
  • 7日間接地する群
  • 14日間接地する群
  • 21日間接地する群
  • 28日間接地する群

接地群では、頭蓋に設置した電極を大地接地システムにつなぎ、24時間継続して大地電位へ接続しています。

今回の結果では、特に21〜28日間接地したグループで複数の記憶課題に変化が現れました。

つまり、「大地につながる」ということだけではなく、ある程度の期間、継続して接続していたことも、この研究を見るうえで重要なポイントです。

私たちが普段行うアーシングと実験条件は違いますが、アーシングを「一度だけ試すもの」ではなく、「日常生活の中で継続していくもの」として考えるうえでも興味深い結果です。

単にラットが活発になっただけではなかった

研究では、一種類だけではなく、複数の方法で学習や記憶が調べられています。

たとえば、

  • 水の中で目標となる場所を覚えられるか
  • 新しく見た物と以前見た物を区別できるか
  • 一度経験した状況を覚えて避けられるか

といった異なる記憶能力です。

さらに、「接地したラットの運動量が増えたから成績が良くなっただけではないか」という可能性を確認するため、移動した距離や速度なども調べられました。

その結果、21〜28日の接地群では複数の記憶課題に改善が見られた一方で、通常の運動活動には明確な差が確認されませんでした。

単純に「元気になってたくさん動いたからテスト結果が良くなった」というだけでは説明しにくい結果だったことになります。

[画像:学習・記憶テストのイメージ、または研究内容を生活者向けに表現した図]

記憶に関わる「海馬」でも変化が確認された

今回の研究が興味深いのは、行動テストだけで終わっていないところです。

記憶に深く関係する脳の「海馬」を調べたところ、接地期間が長くなったグループでは、

  • 炎症に関係する指標の低下
  • 酸化ストレスに関係する指標の低下
  • 酸化ストレスから体を守る働きに関係する指標の上昇
  • BDNFの増加
  • ストレス反応に関係するコルチコステロンの低下

が報告されました。

BDNFは「脳由来神経栄養因子」と呼ばれ、神経細胞の働きや神経回路の変化、学習や記憶との関係が研究されている物質です。

つまり今回の研究では、

「記憶テストの成績だけが変わった」

という結果ではありません。

学習や記憶に関する行動の変化とともに、脳の中でも複数の変化が確認されていました。

ここが、この研究の特に面白い部分です。

炎症・酸化ストレス・ストレス反応も同じ方向に変化

さらに詳しく見ると、海馬では炎症に関係するIL-1β、IL-6、TNF-αが低下し、酸化ストレスに関係するMDAも低下しました。

一方で、酸化ストレスから体を守る仕組みに関係するSODやGSHは増加しています。

さらに、

  • BDNFの増加
  • コルチコステロンの低下

も確認されました。

一つの物質だけが大きく変化したのではなく、炎症、酸化ストレス、ストレス反応、神経の働きに関係する複数の指標が同時期に変化しています。

大地電位への接続が生体にどのように作用しているのか、その詳しい仕組みはまだ分かっていません。

それでも、こうした複数の変化が同時に確認されたことは、アーシングによる生体への影響を考えるうえで非常に興味深いポイントです。

これまでのアーシング研究とも重なる部分がある

アーシングと脳やストレスとの関係を調べた動物研究は、今回が初めてではありません。

2025年には、神経毒によって記憶障害や脳の炎症を起こしたラットをアーシングマットに接触させた研究で、記憶課題や炎症関連指標に変化が報告されています。

また2023年のラット研究では、継続的なストレスを与えたラットをアーシングマットに接触させたところ、不安に関連する行動や、脳のストレス反応に関係するCRF、c-Fosなどに変化が報告されました。

それぞれ実験方法や条件は異なります。

そのため、一つの研究結果としてまとめて考えることはできません。

ただ、

  • ストレス反応
  • 炎症
  • 脳機能
  • 学習・記憶

といった領域で、大地への接続に関連する変化が複数の動物研究から報告されていることは注目できます。

今回の研究によって、アーシング研究の対象が「学習・記憶」という領域にも広がってきたと見ることができます。

普段のアーシングとは方法が違う点は知っておきたい

今回の研究について、一つ大切な点があります。

実験では、私たちが裸足で地面に触れたり、アーシングマットに足を乗せたりする方法ではありません。

ラットの頭蓋に設置した電極を通して、24時間大地電位へ接続する方法が使われています。

また、一定の電流を脳へ流す「電気刺激」を行った実験でもありません。

電極を大地電位へ受動的につなぐ方法です。

そのため、

「この研究で記憶が改善したから、人がアーシングマットを使えば記憶力が上がる」

と考えることはできません。

一方で、大地電位へ継続的につながった状態で、実際に複数の行動や生化学的指標が変化したという事実は、アーシング研究として興味深いものです。

今後、裸足や皮膚接触型のアーシングでも同じ方向の変化が確認されるのか、人を対象とした研究ではどうなのかが調べられていくことで、より理解が深まっていくと考えられます。

私たちの生活ではどうアーシングすればいい?

今回の研究結果を、そのまま人のアーシング方法に置き換えることはできません。

ただし、「継続的に大地とつながる」という研究条件は、毎日のアーシングを考えるうえで一つの興味深い視点になります。

アーシングを始める方法は難しくありません。

天気の良い日であれば、

  • 芝生
  • 砂浜

などで裸足になり、直接大地に触れる方法があります。

毎日外へ出るのが難しい場合は、生活に合わせて室内で続ける方法もあります。

たとえば、

  • デスクワーク中にアーシングマットへ足を乗せる
  • ソファで過ごす時間にアーシングマットを使う
  • 就寝中にアーシングシーツを使う

といった取り入れ方です。

大切なのは、無理をして特別な時間を作ることよりも、普段の生活の中で続けやすい方法を選ぶことです。

「毎日外で裸足になるのは難しい」という方でも、仕事中や睡眠中など、もともと毎日行っている時間にアーシングを組み合わせれば継続しやすくなります。

[画像:自宅のデスクでアーシングマットを使っている生活シーン]

アーシングは「一度試す」より生活の習慣に

今回の研究では、7日、14日、21日、28日と接地期間を変えて調べています。

そして、学習や記憶に関する変化が特に目立ったのは21〜28日間接地したグループでした。

もちろん、これはラットを対象に頭蓋電極を使った研究なので、「人も21日続ければ同じ変化が起こる」という意味ではありません。

それでも、riraku-lifeではアーシングを一回だけ体験して終わるものではなく、歯磨きや睡眠のように、生活の中へ無理なく組み込んでいくものとして考えています。

裸足で大地に触れられる日は裸足で。

難しい日は室内のアーシングマットやシーツで。

自分の生活に合った方法を見つけて続けていくことが、アーシングを日常に取り入れる一番現実的な方法です。

 

まとめ

2026年に発表された今回の研究では、頭蓋電極を通して大地電位へ継続的に接続したラットで、特に21〜28日後に、

  • 複数の学習・記憶課題の改善
  • 海馬の炎症関連指標の低下
  • 酸化ストレス関連指標の変化
  • BDNFの増加
  • ストレス関連ホルモンの低下

が報告されました。

さらに、通常の運動活動には明確な差がなかったため、単純にラットが活発になったことだけでは説明しにくい結果となっています。

今回の研究は一般的な裸足やアーシングマットによる方法とは異なりますが、「大地電位へ継続的につながること」と脳・学習・記憶との関係を考える新しい研究の一つです。

アーシング研究は、炎症やストレスだけではなく、脳や学習・記憶という分野にも少しずつ広がっています。

そして私たちが実際にアーシングを取り入れるなら、まずは難しく考えず、裸足で大地に触れてみることから始められます。

毎日外で行うのが難しければ、アーシングマットやアーシングシーツなどを利用して、普段の生活の中で続ける方法もあります。

無理なく続けられる自分なりのアーシング習慣を見つけてみてください。

出典・参考研究

Kalhour M, Zeinivand M, Kavyannejad R.
Effects of prolonged grounding-based transcranial coupling to earth potential on learning, memory, and hippocampal biochemical status in male Wistar rats.
Neuroscience. 2026.
DOI: 10.1016/j.neuroscience.2026.08.051
PMID: 42692391

Ye M, et al.
Anti-inflammatory effect of grounding mat on trimethyltin-induced neurotoxicity rats.
Journal of Exercise Rehabilitation. 2025;21(1):10-15.
DOI: 10.12965/jer.2448680.340

Park HJ, et al.
The Effect of Earthing Mat on Stress-Induced Anxiety-like Behavior and Neuroendocrine Changes in the Rat.
Biomedicines. 2023;11(1):57.
DOI: 10.3390/biomedicines11010057

※本記事は研究情報の紹介を目的としています。研究結果は対象や実験条件によって異なり、特定の疾病に対する治療効果を示すものではありません。