
スマートリングでアーシングによる深い睡眠は確認できるのか
アーシングをすると、深い睡眠が増えた。
そう感じたときに、Oura Ringなどのスマートリングで「本当に深い睡眠が増えたのか」を確認したくなるかもしれません。
ただ、先に結論を言うと、スマートリングの睡眠表示だけで、アーシングによる深い睡眠の変化を正確に確認するのは難しそうです。
スマートリングは脳波を測っていない
深い睡眠やREM睡眠は、本来、脳波や眼球運動、筋肉の動きなどを使って判定します。
睡眠検査で使われるPSG(終夜睡眠ポリグラフ)は、こうした情報を一晩通して測定する方法です。深い睡眠やREM睡眠を詳しく調べる場合の基準とされています。
一方、Oura Ringなどのスマートリングは、脳波を測定していません。
指から測る心拍数やHRV、体温、体の動きなどをもとに、「今は浅い睡眠かもしれない」「深い睡眠らしい」と推定しています。
つまり、アプリに表示される「深い睡眠1時間18分」「REM睡眠1時間42分」といった数字は、脳波を直接測った結果ではありません。
Oura Ringの研究で分かったこと
Oura Ring Gen 3とPSGを比較した研究では、睡眠中の状態を「覚醒・浅い睡眠・深い睡眠・REM睡眠」の4つに分類した場合、一致率は53.18%でした。
一方で、「睡眠中か、覚醒しているか」という判定は85.03%でした。
この2つは、意味が違います。
- 寝ているか、起きているかを確認する
- 睡眠時間のおおよその変化を見る
- 心拍数やHRVなどを継続して見る
- 深い睡眠やREM睡眠を正確な時間として確認する
上のうち、最後の「深い睡眠やREM睡眠を正確に確認する」ことになると、スマートリングの数字をそのまま実測値として扱うのは難しくなります。
なお、この研究はOura Ring Gen 3を対象にしたものです。現在のRing 4やRing 5が同じ精度だと確認された研究ではありません。Gen 3の研究結果を、そのまま現在の製品に当てはめることはできません。
測定する意味がない、ということではない
では、スマートリングで睡眠を測る意味はまったくないのでしょうか。
そこまで単純ではありません。
「前日はだいたい何時間寝たのか」「途中で何度も起きていないか」「心拍数やHRVが長期的にどう変化しているか」といった情報を見る道具としては、参考になる可能性があります。
ただし、次のような判断は慎重にした方がよさそうです。
「深い睡眠が前日より15分増えた。だからアーシングで睡眠の質が上がった」
このように、睡眠ステージの細かい数字だけを根拠にして、アーシングによる変化だと判断するのは難しいでしょう。
測定結果の数字が変わった理由が、実際の睡眠状態の変化なのか、推定の揺れなのかを、スマートリングだけで区別することはできません。
アーシングで深い睡眠が増えたか確認するには
アーシングによって深い睡眠やREM睡眠が増えたのかを、研究として確認したいのであれば、PSGのように脳波を含めて測定する必要があります。

アーシングをした夜と、しなかった夜を比べる場合でも、スマートリングの表示だけでは「深い睡眠が増えた」とは言い切れません。
スマートリングで睡眠時間などの変化を見ることと、深い睡眠そのものを正確に測ることは、別の話です。
そのため、現時点では次のように分けて考えるのがよさそうです。
- 睡眠時間や睡眠と覚醒のおおまかな傾向を見る:スマートリングでも参考になる
- 深い睡眠やREM睡眠の正確な時間を確認する:スマートリングだけでは不十分
- アーシングによる変化を科学的に検証する:脳波を含むPSGなどが必要
スマートリングは、睡眠を考えるきっかけになる道具です。
ただ、表示された「深い睡眠」や「REM睡眠」の数字を、脳波を測った結果と同じように受け取るのは違います。
アーシングと睡眠の関係を考えるときも、まずは何を測定できていて、何を推定しているのかを分けて見ることが大切です。
